📖 この記事はこんな方に読んでほしい記事です
- フトアゴのくる病が心配な方
- カルシウム管理の正しい方法を知りたい方
- 骨の異常の早期発見をしたい方
「くる病」は爬虫類の飼育でよく耳にする病名ですが、正しくはMBD(代謝性骨疾患)と呼ばれる、骨がもろくなる病気の総称です。カルシウム不足やUVB不足が主な原因で、進行すると骨折や変形につながる深刻な病気です。この記事では、くる病の原因・症状・予防法を解説します。
裏を返せば、この3つを正しく管理していれば防げる病気でもあります。しくみを理解して、日々のケアに落とし込んでいきましょう。
くる病(MBD)が起こるしくみ

骨を作るにはカルシウムが必要ですが、カルシウムを体内で利用するにはビタミンD3が欠かせません。そしてビタミンD3は、UVB(紫外線B波)を浴びることで皮膚で合成されます。つまり「カルシウム」「UVB」「ビタミンD3」の3つが揃って初めて、骨は健康に保たれるのです。
- カルシウム不足:餌のカルシウムパウダーが不足
- UVB不足:紫外線ライトの照射不足・交換時期切れ
- リン過多:カルシウムとリンのバランスが崩れた食事
- 日照不足:室内飼育でUVB以外の紫外線源がない
特に注意したいのが、カルシウムとリンのバランスです。カルシウムに対してリンが多すぎると、カルシウムの吸収が妨げられてしまいます。理想的な比率はカルシウム2に対してリン1程度とされており、昆虫の多くはこの比率がリン寄りに偏っています。
だからこそ、昆虫にカルシウムパウダーをまぶす「ダスティング」が重要になります。パウダーをかけることで、不足しがちなカルシウムを補い、比率を整えているのです。

私の育てるフトアゴで、”くる病”になったことはありません。ただSNS映像で見たときに、動きが制限され動きづらくしていたり、痛くても言葉に出来ないのを見た時にはとても辛くなりました。そうならないためにも、うちでは2〜3回に1回程度の頻度でカルシウムダスティングを行い、予防を心がけています。
くる病の初期〜進行症状

早期発見が非常に重要な病気です。次のサインに注意しましょう。
- あごや手足の骨が柔らかく感じる
- 手足が曲がって見える、まっすぐ立てない
- 食欲不振や動きの鈍さ
- けいれん様の震え(低カルシウム血症)
進行すると骨折しやすくなったり、歩行が困難になったりするため、疑わしい様子があれば早めの受診が重要です。
成長期のベビーやヤング期は、骨が急速に作られるため特にリスクが高い時期です。また、産卵を控えたメスも卵の殻を作るためにカルシウムを大量に消費するため、注意が必要になります。
初期症状は非常に分かりにくく、「なんとなく元気がない」「食欲が落ちた」といった漠然とした変化から始まることも珍しくありません。日頃から骨の硬さを触って確かめておくと、比較がしやすくなります。
骨だけでなく皮膚のトラブルが気になる方は、フトアゴの脱皮で皮が残る・剥がれない時の対処法|脱皮不全の原因と予防策もあわせてご覧ください。
くる病を予防するための管理ポイント

予防の基本は、日々の給餌とライト管理の徹底です。
- カルシウムパウダーを餌に定期的にまぶす(頻度は成長段階に応じて調整)
- UVBライトは推奨照射距離・時間を守る
- UVBライトは効果が落ちるため6ヶ月〜1年を目安に交換
- リンの多い餌(一部の昆虫や食材)に偏らないようにする
ダスティングの方法は、蓋つきの容器に昆虫とカルシウムパウダーを入れて軽く振るだけです。パウダーが厚くつきすぎると食いつきが落ちることがあるため、うっすら白くなる程度が目安になります。
カルシウムパウダーには、ビタミンD3入りとD3なしの2種類があります。UVBライトを適切に使えている場合はD3なしを基本にし、D3の過剰摂取を避けるという使い分けが一般的です。
後ろ足に力が入らず引きずるように歩く、腕が震えて体を持ち上げられないといった様子は、進行を示すサインです。「歩き方がおかしい」と感じた時点で受診を検討しましょう。

ダスティングは、正直カルシウムパウダーを入れて振るだけなので難しくありません。虫に振りかけると動きが鈍くなるため、与えやすくなるのもポイントです。UVBライトは、毎日使う器具として定期的に交換が必要なため、スマホ管理等でわかりやすく手元で簡単に見られるようにするといいですね。
屋外での日光浴の正しいやり方と注意点は、フトアゴヒゲトカゲの日光浴ガイド|効果・やり方・時間と絶対に守りたい注意点で詳しく解説しています。
診断と治療の基本
くる病が疑われる場合、レントゲン検査や血液検査で診断されます。治療はカルシウム剤の投与やUVB管理の是正が基本ですが、進行度によって対応が異なるため、必ず爬虫類対応の動物病院に相談しましょう。
UVBライトは、点灯していても紫外線量が落ちていることがある点に注意が必要です。見た目では劣化が分からないため、使用開始日を記録し、期限が来たら必ず交換しましょう。
カルシウム管理の実践とセルフチェック

カルシウムパウダーは頻度や種類にコツがあり、Ca:P比も骨の健康には重要な要素です。月に一度など決まったタイミングでセルフチェックを行う習慣をつけると、早期発見につながります。
- ベビー期はほぼ毎回、アダルト期は週2〜3回程度を目安にカルシウムパウダーをまぶす
- 理想的なCa:P比はおおむね2:1程度とされ、昆虫と野菜のバランスを意識する
- あごの骨を軽く触って硬さを確認し、四肢がまっすぐか変形がないか見る
- UVBライトを設置していない、野菜より昆虫に偏った食事などの環境要因に心当たりがあれば見直す
けいれんや震えが見られる場合は、血中カルシウム濃度が著しく低下している可能性があり、緊急性の高い状態です。この症状が出たら様子見をせず、すぐに動物病院へ連絡してください。
カルシウムを多く含む葉物野菜の与え方は、フトアゴヒゲトカゲの葉物野菜の与え方大全|小松菜・ほうれん草・チンゲン菜まとめにまとめています。
治療中のサポートと継続管理

治療によって症状が改善した後も、再発を防ぐための継続的な管理が欠かせません。治療中は通常以上に生活面でのサポートも必要になります。
- 骨への負担を避けるため高い場所への移動を制限し、床材を柔らかいものに変更する
- カルシウム・UVB管理を治療後も継続し、定期的な健康診断で骨の状態を確認する
- 毎月UVBライトの使用期間をチェックし、できるだけ半年に一度は交換を検討する
- 獣医師の指示に従い経過観察を続け、急激な運動をさせず骨への負担を避ける
治療後も、同じ環境のままでは再発する可能性があります。何が原因だったのかを振り返り、ライトの管理方法や給餌の習慣を具体的に見直すことが、再発防止につながります。
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よくある質問
Q. カルシウムを多く与えれば安心ですか?
A. UVBが不足していると、カルシウムを摂取してもうまく利用できません。両方をセットで管理することが大切です。
Q. 一度発症したら完治しませんか?
A. 早期に対応すれば改善が見込めるケースも多いですが、骨の変形が進むと完全には元に戻らないこともあります。予防が何より重要です。
Q. 屋外の日光浴だけでUVBは足りますか?
A. 天気の良い日の日光浴は非常に有効ですが、毎日安定して行うのは難しいものです。基本はUVBライトで確保し、日光浴は補助と考えましょう。
Q. 野菜からもカルシウムは摂れますか?
A. 小松菜やチンゲン菜などカルシウムを多く含む野菜もあります。ただしそれだけでは不足しがちなため、パウダーとの併用が基本です。
まとめ|くる病予防はカルシウム・UVB・食事のバランスから

- カルシウム・UVB・ビタミンD3の3点セットが骨を守る
- 骨が柔らかい、手足が曲がって見えるのは要注意サイン
- UVBライトは6ヶ月〜1年を目安に交換しよう
- リンの多い食事に偏らないよう気をつける
- 進行すると骨折や歩行困難につながる深刻な病気

くる病って聞くと怖いけど、日頃のカルシウムとライト管理をちゃんとしていれば防げる病気だから安心してね。うちも毎回の給餌でカルシウムパウダーを忘れないようにしてるよ。
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